species

“1.色 2.模様 3.重さから見分ける”

材木から樹種を見分けるポイント

日本だけでも1000種類以上の様々な樹種があります。一説には世界中には6万以上の樹種があるとされています。一方でこれだけ多くの種類を見分けられる人はいません。木材として流通していないからです。製材される木材として国内で流通しているのは、300種類程度です。
判別に知識は不可欠ですが、一定量数を見ると、ある時臨界点に達し違いが明確に分かるようになります。単に見るだけでも訓練になりますが、比較した方が効果的です。比較の着眼点 「色味」「木目」「重さ」 の3点です。

1.色味

樹木の樹皮は、どの樹種もほとんど茶色です。一方で、材面には色の違いが生じます。白い色の樹種が多く、茶色、黒、黄色、中には緑や紫のものもあります。黒い樹種で有名なのは中国の黒檀です。ヨーロッパではローズウッドと呼ばれる紫檀もその名前の通り紫です。日本の木では神代と呼ばれる埋もれ木が黒い材種として有名です。

2.木目

色味と似ていますが少し異なります。ベースの色の上に線状に出る模様のことです。樹種によっては栃や楓、柘植など、ほとんど木目のない木もあります。木目は年輪を縦割りした断面のため、年輪の出方によって差が出ます。年輪は、四季の寒暖によって生じるため、海外の寒暖差がない地域の樹木には、ほとんど木目がありません。

3.重さ

樹種によって重さが異なります。重たい木ほど強度が高い傾向がありますが、水分量によってしなやかさ(耐曲性)が異なり、一概に強度が高くなるわけではありません。重量の軽い木の代表例に「桐」重い木の代表例に「欅」があります。

さいごに

上記以外にも、樹種によって異なる部分は数多くあります。香り、手触り、色艶、杢などです。流通する木材の判別であれば、比較の着眼点は上記三点でほとんどカバーできると思います。目の前の木の樹種を把握した上で、色々な樹種を見比べることで少しずつ見分けられる種類が増えていきます。数十種類見分けがつくようになると、海外の木と日本の木に違いがあることも分かってきます。