はじめに
蔵王権現は、日本の神仏習合の神であり、修験道の本尊とされています。飛鳥時代(593年〜710年)の呪術者、役小角(えんのおづぬ)が吉野の金峯山で修行中に示現したのを起源とし、釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の三尊の合わさった仏であるとされます。正式な名称は金剛蔵王権現。「金剛蔵王」とは究極不滅の真理の体現する王、「権現」は仮の姿で現れているという意味があります。1400年以上前から信仰される蔵王権現について、その見た目、起源、ご利益を通して全体像を浮き彫りにし最後にまとめています。
見た目
密教の明王像と類似し、激しい忿怒相。怒髪天を衝き、右手と右脚を高く上げ、左手は腰に当てています。 右手には三鈷杵を持って左手は刀印を結びます。左足は大地を力強く踏ん張り、右足は高く掲げられています。
起源
蔵王権現は吉野の金峯山で役小角が修行中に示現された修験道の本尊です。役小角は自らの修行を通じて蔵王権現と出会いその神秘的な力を授かったとされています。この出会いをきっかけに役行者は蔵王権現を信仰しその教えを人々に広めていったといわれています。
ご利益
蔵王権現には、さまざまなご利益があるとされています。火災や水害からの守護、家運隆盛、子孫繁栄、商売繁盛、厄除け、病気平癒、諸災祓い、諸願成就、怨敵退散など多岐にわたる祈願が叶えられると信じられています。
まとめ
蔵王権現は、役小角が感得した神であり、修験道の本尊として広く信仰されています。役小角は飛行を使ったという逸話が残っており、その神秘的な力が人々の心を引きつけてきました。また、蔵王権現は火と水の神として、さまざまな災難から人々を守るとされ、多くの人々に信仰されてきました。その見た目や起源には複数の解釈が存在し、地域や寺社によって異なる姿が伝承されていますが、その多様性が蔵王権現の魅力の一部でもあります。これらの要素が組み合わさって、蔵王権現は日本の神仏習合の代表的な存在として、今も多くの人々に親しまれています。
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